私が注文住宅の営業マンを10年間していた経験から、家づくりを始めるときに参考になる情報やちょっとした裏話までお役に立てればと思い書かせていただきます。
一応実話ではありますが、地域で違いがあったり数年前に注文住宅の営業マンを辞めていますので情報がその時のものですが、十分にお役立ちするかと思います。
・大手ハウスメーカー住宅展示場
私が営業マンになりたての頃、よく勉強も兼ねて住宅展示場に通いました。
平日の住宅展示場は勉強するには狙いめで他のお客さんは少ないし各モデルハウスのスタッフさんも付きっ切りで対応してくれます。
住宅展示場には大手ハウスメーカーさんや大手ビルダーさんのモデルハウスが並んでいて、各モデルハウスに綺麗な受付の女性や、いかにも出来そうなスーツを着た男性が出迎えてくれ、その会社のトップクラスの建材や設備を兼ねそろえた間取りも広い大豪邸です。
初めのころは、その雰囲気に心躍ったことでした。
しかし勉強も兼ねてなので色々とスタッフさんに質問してみます。
一応営業マンになり立てでしたから、時間を見つけては建材のカタログや住宅の情報誌、設備のショールームなどに行き知識を増やしてる最中でした。
知らないことは勿論ですが、知っていることも含めて質問してみますが、、、
意外とそんなに、自分と知識量は変わらないなぁ。と思ったのを覚えています。
一流メーカーの営業マンなので、もっと知らない知識やお得な情報が得れると思いましたが数メーカー見たところ、同じ印象でした。
私が行った地域の住宅展示場の営業マンだけかもしれませんが。
何かのサイトで見たのですが、優秀な営業マンは住宅展示場にはいない!という内容でした。
バリバリできる営業マンは、どんどんお客様とアポをとり、打ち合わせ三昧なので、平日の住宅展示場にいるはずがないのです。
そのサイトを見たときになるほどなと思いました。
その他一番気になったのが住宅展示場というところは、実は家づくりの悩みや計画をしに行くところでは無い!ということです。
住宅展示場というところは自分の年収や支払い能力、家族構成など個人情報を開示しに行く場所だと思った方がいいです。
一般に家づくりを始める人は、家づくりの素人です。
その家づくりの素人を集めるにはどうしたらいいか?
家づくりの素人に家を売るにはどうしたらいいか?
を考え抜かれた結果が住宅展示場だと思います。
充実した設備や大きな間取りの大豪邸に夢が膨らみますが、実際建てる家とは全く設備も広さも違います。
そんなことは家づくりを始められる方も百も承知です。
なのに、それでも住宅展示場に皆さん行きますよね。
これがそもそも仕掛けられた罠だと思いませんか?
言い方はキツイかもしれませんが、よく大型連休や週末に住宅展示場でイベントを行っていたりします。
私も行ったことがありますが、夏でしたが何故か炎天下に道路に面した駐車場で出し物やイベントをおこないます。
冷静に考えたら室内でいいのにと思いますが、あれも道行く車や歩行者に住宅展示場に人がいっぱい来ています!
あなたも楽しい家づくりをしませんかと来場者が客寄せに使われている光景です。
パチンコ店の通路面はよく球が出る、といったあの話と類似しているように思えてしまいます。
なんだか住宅展示場やハウスメーカー批判が多くなってきましたが、何を隠そう私が注文住宅の営業をしていたのは地元の工務店だったからです。
よく大手のハウスメーカーとブッキングしたのを覚えています。
その時にお客さんによくしていたトークがあります。
大手住宅メーカーが大規模な広告やテレビCM、豪邸のモデルハウスや綺麗なカタログ、それらもろもろの費用は誰が支払っているかわかりますか?です。
それは大手住宅メーカーで家を建てられる方が、建築費という名を借りて支払っているのです。
ざっくりと利益率の話をすると住宅メーカーさんが5割ほど。地元の工務店が3割ほどが利益です。
同じ3000万円の支払いをした家を建てると、メーカーさんで1500万円、地元工務店で2100万円が家の建築費に使われるお金です。
その差額600万円が広告費や人件費に余分に使われているお金です。
どちらが得だと思いますか?
このトークはほぼ全てのお客様にしましたし、すでに工務店に来られるお客様はご存知の方が多かった記憶があります。
ここだけ聞くと地元の工務店が優れていると思いますが、やはりメリットの後にはデメリットもありますよね。
次は地元の工務店について話をしたいと思います。
・地元工務店
私は地場の工務店で10年間営業をしておりましたので、メリットもたくさん知っています。
まず地元で営業していますのでお客様のエリア、いわゆる商圏のエリアが狭いので悪い噂はすぐに廻ります。
また、集客にお金がかけられないので、既存のお客様に新しいお客様を紹介していただく事も大変重要になります。
なのでいい加減な事は出来ませんし、建てて終わりではなく常にアフターフォローもします。
その他、先ほども書いた通り建築費も安く抑えることが出来ます。
小さい地場の工務店だと保証を心配される方も多かったですが、第三者機関を入れて中間検査や完成検査を経て保証する工務店がほとんどです。
意外と良いことばかりかと思いきや、やはりデメリットも存在します。
まず、人員の少なさです。単純に1棟に関わる人員が大手ハウスメーカーに比べて少ないので管理の目が少なく担当者任せになることが多いです。
色んな人の目が入ることで人的なミスや聞き漏れが減りますので、その点注意が必要です。
打ち合わせ時に毎回議事録を作成しお互いサインなどし、後に言った言わないにならないようにするのがお勧めです。
次に提案力の差です。最近は工務店でも住宅の商品化が進み、何でもできますよ!という工務店から、当社の売りの家はこれです!といった工務店が増えてきています。
その分、商品の家がパッケージ化されていて、それを覚えるだけでよくなっています。
しかしながら大手メーカーさんに比べると新人や経験の浅い担当者が付いた時のバックアップにまだまだ差があるように思います。
なぜなら管理職の人間も自分のお客様を抱えていることがほとんどだからです。
なかなか下の社員の教育バックアップといった面では大手メーカーに劣っていると思います。
あと、これは工務店にもよりますが、ワンマン社長の工務店が多いのも一つあげられます。
自分に絶対的な自信があり、社長と社員のパワーバランスが大きいのが問題です。
社員の休暇の少なさや仕事量の多さからモチベーション低下している社員が多い事で上手く現場が機能していない事があります。
現に私が勤めていた工務店もこれに該当しましたし、他の工務店さんでも似た事例を見ていました。
どこも同じなんだなと思った印象があります。
その他、保証においては第三者機関が入りますが、何といっても建てた会社が倒産するリスクは地元の工務店の方がやはり高いです。
何かあれば第三者機関が保証してくれるといっても、当時の細かなやり取りや約束など第三者機関は加味してくれません。
社長と社員が仲たがいして工務店が複数に分裂するなどよく聞く話でした。
地元で人気のある工務店などに関しては、やはり建築着工から完成までの納期でしょうか。
抱えている職人の数も限られていますので、いつまでに新築に住みたいと思っても納期が間に合わないなどの問題があります。
そして着工中と完成時にお願いされる見学会です。工務店ではモデルルームを持つことが出来ないのでお客様の建築中や完成した家をモデルルーム代わりに使って集客するのです。
他人が自分の家に入るのを拒む方は絶対に無理だと思います。見学会場として提供するのは強制ではないでしょうが必ずお願いされると思います。
・結局のところ何処で家づくりを始めたらいいの?
こうしてみると一概にどちらが優れているか劣っているかというよりも一長一短あるので、どちらが自分に合っているかということになります。
また大手ハウスメーカーでも地元の工務店でも全てが前述に当てはまるかと言えば違いますし、初めからどちらも複数社と打ち合わせを進めるなんて考えただけでも疲れてしまします。
よく中古車を売りたい場合などに、ディーラーや大手中古車センターや町の車屋さんなど数社に買取金額を出してもらえる一括見積サイトなどがあります。
時間をかけて店舗へ車両を持ち込んで買取金額を出してもらって、何社か周り一番高く買い取ってくれる所で売却を考えているなら、凄く時短になるし便利なサイトだと思います。
私が住宅の営業をしていた時に住宅関係でも、そんな一括で資料や見積もりなどを請求できるサイトが出来れば、これから家づくりを考えておられる方の手助けになるのに。
そう思っていましたが、そんなサイト作れる技術もありませんし時間もありませんでした。
今は畑違いの仕事に付きましたが、やはり住宅関係の仕事が好きだったこともあり、少しでも家づくりのお手伝いが出来ればとこのサイトを作りました。
その中で当時私が思っていたサイトが見つかり皆さんにも紹介したいと思います。
注文住宅の一括資料請求ができる「LIFULL HOME’S」というサイトです。
このサイトの何が優れているかというと当時の私が思っていた数社から一括資料請求が貰えます。
無料なので、やらない選択肢は無いんじゃないかと思います。