意外と増えている!知っている人が建てる平屋建ての良さ。

2階建ての建物は、子供たちが巣立ちして2人暮らしになると、2階部分をほとんど使わなくなる傾向があります。
階段の昇り降りのつらさもありますが、寝るにしても洗濯物を干すにしても1階部分だけで事足りるようになるからということもあります。
若い人でも、2階建てを新築して子供が小さい頃は、1階だけで生活する人がいます。
階段での子供のケガに気を配っているのです。
最初から平屋建てを造ればいいのに、とか思いますが、敷地の広さや駐車場の確保、周辺の建物との関連など、2階建てにせざるを得ない事情があったりします。
土地の広さなど制約がないとすれば、平屋建てをおすすめします。
平屋建て住宅は住んでみて良さがわかります。
各ハウスメーカーも平屋建ての良さをそれぞれのスタンスでアピールしています。
住宅展示場ではなかなか見ることのできない平屋建ての住宅をこのサイトでご覧ください。
◎平屋建ての間取り
間取りを考えるときに、土地の広さや縦横の長さなどは最低必要条件です。
まず、土地の資料(面積や方角、道路との関係、隣地との高低差、上下水道の引き込み場所など)を準備します。
建築する際には、建築確認許可を受けることになる(地域によっては工事届のみの場合もあります。)ので、建築基準法に沿った計画が必要になります。わからない場合には専門家に聞くことです。
最初に、敷地に対して、建物や車庫などの大まかな配置を決めます。
敷地に建築できる建築物の広さは各市町村で決められています。建ぺい率(土地の面積に対して建物が造れる面積の割合)の範囲内でしか建築できません。
たとえば、土地(敷地面積)が60坪の場合、建ぺい率が50%の地域であれば、建築面積で30坪までしか造れないことになります。
建物の他に、カーポートやアルミテラスも建築面積に算入されます。床面積に算入されない玄関ポーチ部分も建築面積に含まれることもありますので要注意です。
平屋の建物は建ぺい率をクリアすれば、容積率はクリアできます。
車の出入りなども考慮した敷地計画が必要です。
建物は、基本的に北側に寄せる形で配置します。給湯器や勝手口などの関係がある場合、境界から1mから1.5m程度離すほうがいいでしょう。軒先(雨樋を含む)が越境しないようにしないといけません。
斜線制限という基準もありますが、平屋建てで一般的な住宅の場合、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限のいずれもチェックの必要はありません。
平屋建ての間取りは、2階建てに比べて日光や通風をいかに確保できるか難しくなります。複雑な形にすればコストもかかってきますので、その辺のとの絡みも考えて作成する必要があります。
間取りは1回で決まる、というようなことはまずありませんので、ハウスメーカーや設計事務所など相談できるところがあれば、アドバイスをもらったり、見積もりしてもらったり試行錯誤しながらすすめていくことになります。
◎平屋建ての人気
階段の昇り降りが苦にならない世代の方には、平屋建てよりも2階建てのほうが好まれるようです。
歳を重ねるにつれて、階段の昇り降りはきつくなってきます。家を造った時には子供も小さくて寝室を2階に持ってきていたのに、今では1階でのみ生活して2階は物置と化している家は多くあります。
ただ、子供たちが結婚して孫たちと遊びに来るときには2階が生きてきます。1年のうちに何度あるかわからないことでも、それが楽しみで2階建てをそのまま残しておられる方も多いのではないでしょうか?
というより、わざわざ平屋に改造する必要もないとお考えのようです。
ただ、最近は若い世代においても平屋の建物を希望している人が多くなってきています。
その理由はいろいろありますが、一つの理由として、将来の住まいのあり方を視野に入れていることが挙げられます。現代の住宅建築は、建築基準法などの重なる改正などを経て耐久性が格段に進化しています。
30年前には、木造の住宅の寿命は30年程度といわれていました。20~30年後のことを考える必要を考えてのことでしょう。
でも、平屋にする理由はもっとほかにもあるのです。
◎平屋建てと自然災害
東日本大震災や関東地方の竜巻、西日本の豪雨災害など自然にどのように対応していくかはとても大事なことです。
災害に強い建物とはどういうものでしょうか?
それは、立地条件と建物の構造がとても大きな要因になります。
自然災害が建物に及ぼす影響で一番身近なのが、台風と地震です。
建物はこれらの災害に耐えうるべく設計されます。それは、家を建てる前に当該審査機関に確認申請を提出し、その建物が建築基準法にのっとっているかを審査してもらいます。
建築設計の際には風と地震に対しての強度チェックをします。
平屋の建物は2階建てに比べて安定していますので、耐力壁をさほど多く配置しなくてもまず問題ありません。
平屋建ては、火災や地震などで避難するときには2階建てよりも有利ですが、洪水や積雪などに対しては不利な面もあります。
建築地が防波堤や川の土手などより低い場合などは、GL(グランドライン:地盤の高さ)をあらかじめ高くしておくことが必要です。
費用的に負担にはなりますが、建物の下を鉄筋コンクリート造の駐車場にすることも考慮できればいいと思います。
建築前に、その土地の海抜や、以前に洪水などの被害がなかったかどうかを調べることも必要です。
◎平屋建ての価格
住宅の価格は、構造、仕上げ、外観、設備機器などによって大きく変わってきます。
一般的な木造の他に、鉄筋コンクリート造、鉄骨造などがあります。
木造が価格的には安くできます。鉄筋コンクリート造や鉄骨造は、3~4割ほど高くなります。
構造計算なども伴って、建築費以外での経費(設計料など)もコストがかかってくることがあります。
他にもブロック造とか、前述の構造をを組み合わせたものがあります。
それぞれに特徴、メリットがあります。
比較するときに、強度、耐火性、耐久性、耐風性、耐震性、そして建築する際のコストなど気になるところです。
坪単価にすると、木造が40~80万円、軽量鉄骨造が70~100万円、鉄筋コンクリート造が80~120万円くらいではないでしょうか?
坪単価25万円などとCMしているハウスメーカーもありますが、オプション工事も多く、完成時には坪50万円程度になっています。
坪数の算定が建築基準法上の面積ではないので、これも注意しなければならない点です。
ほかにも、自然に優しい素材や、将来の解体や処理に対することを考える専門家もいます。