夏は増えるかもしれない!?空き巣の手口と、その後の対応は?

「空き巣」とは侵入し窃盗することです。
「空いている巣」を狙うということで、基本的には、入居者の不在時を狙って侵入し、主に金品を目的として窃盗を行う犯罪です。
■空き巣の犯罪は、よほど大きな被害がない限り、ニュースにはほとんど出ませんね。
でも、全国のあちらこちらで、起きている犯罪ですから、自分の家に入る可能性も少なくはないでしょう。
■「うちにはお金がないから大丈夫!」と安心していても、泥棒にとって見れば、どの家にお金があってどの家にお金がないのかというのは、空き巣に入ってみないと分からないのです。
狙われる家は「侵入しやすい家」「侵入するときに見つかりにくい家」なのです。
見つからず、つかまらずにお金をとって逃げる!というのが目的なのですから、入りにくい家に時間をかけるよりも、入りやすい家に入って窃盗を働くのです。
■警視庁 生活安全総務課の統計(平成22年度)、「都内における侵入窃盗の認知件数」の推移を見ると、侵入窃盗が9415件で、そのうち空き巣については4540件と全体の48.2%の割合を占めています。
■この調査で言う「空き巣」は、家の人などが不在の住宅家屋内に侵入し、金品などを盗むことを示しています。
空き巣以外には、閉店中の店舗へ侵入して金品を盗む出店荒らしや、会社や事務所などに侵入して金品を盗む事務所荒らしなどは別として統計されています。
平成18年度からのデータを見て比較すると、窃盗犯罪の件数も減少傾向にあり、その中で大半を占める空き巣についても減少しています。
ですが、空き巣は全体の半数近くも占めるため、それだけ一般住宅が狙われているということの表れです。
個々の家で、特に防犯対策が必要と思われます。
そんな状況の中、住宅でも防犯に対する意識が高まってきたように感じます。
戸建てやマンションでも、防犯対策が一つの特徴として取り上げられるようになってきました。
■空き巣の侵入の方法、場所、時間は様々です。
どのような方法で入るのか、どのような場所から侵入するのかなど、空き巣の手口を知り、それに対する防犯対策を考えていく必要がありますね。
空き巣を含めた侵入窃盗のうちで、どんな場所が多く狙われているのかという統計を見てみます。
侵入窃盗の61.3%が住宅の被害です。
■住宅のうち、一戸建て住宅が25.8%で最も多く、その次に4階建て以上の中高層住宅が9.9%、3階建て以下の共同住宅やテラスハウスなどを含めるその他の住宅が25.6%という結果になっています。
■この結果を見ると、一戸建て住宅が狙われれる確率がいかに多いかということがわかります。
その他の住宅とは、3階建て以下の共同住宅やテラスハウスのことです。
ですから、低層の住宅が狙われやすいということになるでしょう。
そして、高層のマンションなどは、オートロックが完備されているところがほとんどで、防犯対策がしっかりされていることも、この結果に現れているのではないでしょうか。
■しかし、中高層住宅でも件数で言うと、959件ですから、決して少なくないので油断はできません。
中高層の住宅でも、狙いやすい点というのはあるのです。
1階では、ガラス破り(ピッキングはほとんどないようです)、2~5階では、施錠忘れやピッキングによる侵入、6階以上では人目につきにくいので、ピッキングや鍵を壊しての侵入が多いようです
空き巣は、その家の扉や窓、鍵に合わせて様々な道具の中からその家に合う道具を選んで使用します。
それぞれ、空き巣の手口を研究して、防犯対策をとりましょう。
『ドアから侵入の場合』
●ピック
ピッキングのときに、鍵穴に差し込んで使用します。
鍵を鍵穴に入れてか開錠するのと同じように、簡単に開錠ができたりします。
●テンション
ピックと同様に、特殊な金属工具で鍵穴に差し込んで開錠します。
●バール
ドアの隙間にいれて、こじ開けます。
ドア枠やドア自体を捻じ曲げ、錠前のかんぬきを浮かせたり壊して侵入します。
バールを使ってたたいて壊すこともできます。
●ハンマー・レンチ
シリンダーをたたいて壊し、もぎとる打ち抜き、引き抜きに使われます。
●マイナスドライバー
鍵穴にドライバーを差込み、シリンダー自体を破壊したり、ドアとドア枠の隙間にいれてこじ開けたりするときに使われます。
●ホールソー・電気ドリル
鍵穴部分に入れて、シリンダー自体を壊し、開錠します。
●針金
ドアの隙間や、ドアにドリルで開けた穴から差込み、サムターンを回して開錠します。
またカム送り開錠の方法では、シリンダー部分を手前に引っ張り、ドアと鍵穴を覆うカバーとの隙間に針金を差し込んで状ケース部分を操作して開錠します。
●キーブランク
鍵穴のピンの配列を読み取り、キーブランクを加工して合鍵をつくり、開錠します。
『窓からの侵入の場合』
●ドライバー
窓ガラスを割る、面格子を外すなどの用途で広く使われます。
サッシのガラスの溝に差込み、指が入る程度に穴を開ける方法もあり、ほとんど音がでない手口です。
ガラス表面を火であぶった後に、穴を開ける「焼き破り」にも使われます。
窓と枠の隙間に差込み、窓をがたつかせ、半締りや劣化したクレセントを外す方法にも使われます。
●バール
窓と窓枠の隙間に差込、窓をががたつかせてクレセントを外す方法に使われます。
窓ガラスを割る、ガラス表面を火であぶった後に穴をあける「焼き破り」にも使われます。
●石・レンガ
主に、窓ガラスを割るときに使われます。
空き巣被害に合わないように、防犯対策をしっかりしておくことが大切ですが、もしも空き巣の被害にあってしまったらどうしたらいいでしょうか。
1.まずは安否確認
もし、家の中に人がいた場合、怪我などの被害がないかを確認します。
かなり、動揺していると思うので心を落ち着かせてあげます。
2.警察に通報
すぐに警察に通報します。
警察がくるまでは、現場のものなどに触れないように、また誰にも入られないようにします。
現場の状況を細かく見てもらうため、または指紋などを採取してもらうためです。
特に、引き出しやドアノブなどは、指紋が残っている可能性があるので、素手で触れてはいけません。
3.盗まれたものの確認
何かなくなっているものがないか、家の中のもので位置が移動されているものがないか、落ち着いてゆっくりと確認します。
また、建物の外回りを確認し、ガラスや扉、鍵などが壊されていたり、何か侵入の痕跡が残っていないかどうか確認します。
窓ガラスが割られていたり、木や雨どい、物置や空調機が足場にされていたりすることが分かるかもしれません。
侵入経路が分かれば、今後の防犯対策につながります。
もしかしたら、鍵を複製された可能性もあるかもしれませんので、念のため、鍵を交換した方がいいかもしれません。
4.盗難届を出す
盗まれたものを確認できたら、「盗難届」を出します。
特に、カード類、健康保険証、印鑑、印鑑証明、パスポートなどが盗まれた際には必ず出しましょう。
盗難届けは、盗まれたカードを悪用されたり、身分証明書などを利用してお金を借りられたりしたときに、いつから本人の手元を離れているかという証明になりますから重要です。
保険証は、健康保険組合に連絡を入れたほうがいいでしょう。
実印や、印鑑証明書は、悪用されると大変なトラブルになる可能性があるので、すぐに法務局へ届け、使用停止、改印手続きを行います。