店舗付き住宅の防犯を考える➁ 出店荒らしの手口と対策。

出店荒らし
飲食店や商店などの閉店後、無人になった店舗に侵入して、金品などを窃盗する犯罪です。
警視庁の統計による平成22年度の、出店荒しの発生状況を見ると、1378件で、手口別で見ると全体の14.6%にあたります。
また、同じく、場所別で侵入窃盗の発生状況を見ると、飲食店が863件で全体の9.2%、商店が705件で7.5%となっています。
これらを見ると、一般の住宅に次いで、多く侵入窃盗が発生している場所だといえるでしょう。
侵入手口として多いのが、窓ガラスを割って鍵を開けて侵入する方法です。
戸締りの徹底とともに、窓への防犯対策を強化する必要があるでしょう。
補助錠やセンサーの設置を行います。
アラームを設置すると、不正な開閉により警報がなり、周囲へ侵入者を知らせるとともに、音を嫌がる侵入者はその音だけで逃走する可能性もあり、犯罪を未遂に終わらせることも出来るでしょう。
防犯カメラやセンサーライトを設置することでも効果があります。
また、閉店後の戸締り後には、貴重品や現金を店舗内に置かないということも大切です。
出店荒し-過去のニュース-
宮城県で震災後、出店荒しが増加
宮城県警は、2011年4月25日、震災後1ヶ月間の刑法犯認知件数(殺人や強姦)が前年同期よりも減ったのに対し、被災地で閉店している店舗の出店荒しが87件増の124件だったことを明らかにしました。
(2011年4月25日 共同ニュースより)
出店荒しで3容疑者逮捕
岐阜県警捜査3課と各務原署などは、2011年8月4日、窃盗目的で閉店後の喫茶店に侵入したとして、指定暴力団稲川会系暴力団組員の竹内慎一郎容疑者ら3人を逮捕しました。
今年に入り、同様の手口の出店荒しが県内、愛知県内で100件以上発生しており、余罪は100件以上と見られています。
県警によると、喫茶店の入り口のドアがバールでこじ開けられ、戸棚や引き出しが荒らされていたということです。
(2011年8月5日毎日新聞より)
出店荒らし-対策-
休日や夜間に、無人になる店舗に侵入し、商品や金品を窃盗するという出店荒らしですが、その対策について考えていきます。
店は、不特定多数の人が出入りし、また多くの現金が置いてあると考えられています。
また、宝石店など、高額な商品を置いてある店舗では、その商品も狙われる対象となります。
24時間、つねに営業している店では、窃盗に入られた際、店の従業員と客の安全も守らなければなりませんね。
防犯カメラ
まずは、常に監視をしている防犯カメラを設置することです。
監視という目的以外に、犯罪の抑止にもつながりますから、見えない様な場所に設置するのではなく、さりげなく目立つ場所に設置することが効果的です。
また、監視カメラとして、窓の開閉などが行われた時点で、撮影がはじまるものもあります。
人感センサー
人の気配を察知して、非常ベルを鳴らすシステム、また霧を噴き出して、犯人の視界を遮り、それ以上の犯罪をさせないようにするシステムなどが効果的です。
ショーケースに商品をいれたままにしない
宝石のような高価な商品は、ショーケースごと破壊して盗まれる事もありますから、ショーケースにシャッターを付けたり、商品を金庫にしまったりする必要があります。
強盗は時間をかけることが嫌いな為、そうすることで、諦める確率は上がるでしょう。
現金をレジから出しておく
誰もいない店内では、レジから現金を出し、金庫にしまうなどしておく必要があります。
その際、レジは開けておき、何も入っていないことをアピールしておきましょう。
日ごろから防犯装備を見せておく
泥棒は、事前に必ず店に客を装って下見に来ているはずです。
日ごろから、従業員もは防犯の指導を徹底させ、防犯カメラ、防犯機器などを見せつけるところに設置して、防犯対策がされいる店だということをアピールしておきます。