新築だけが全てじゃない!増改築と新築メリット・デメリット。

◎増改築で対応できること
増改築(リフォーム)とは、もともとある住まいを増築したり、一部分を改築したりすることです。
親から資金援助を受けた場合の税制面の特例は、新築だけでなく増改築にも適用されますが、工事費用や住まいの床面積などの一定の条件が課せられるので注意が必要です。
新しい暮らしに必要な部分のみを加えることができるのが、増改築(リフォーム)のメリットでしょう。
また、費用も少なくてすみ、もともとの住まいをあまり変容させずにすむので、親世帯の生活を変えることもないので、心理的負担が小さいというメリットもあります。
キッチンが2か所以上ある家というイメージが一般に定着しているのが二世帯住宅です。
家族の人数が増えればトイレの増設も必要になります。
空部屋となっていたかつての子供部屋などを、新たな子世帯の生活スペースとして利用する場合も多いでしょう。
親世帯の高齢化にあわせた玄関・廊下・水周りの拡幅や、手すりやバリアフリー住宅工事の計画することも増えています。
しかし、もともとある住まいをもとに二世帯住宅を考える場合、増改築(リフォーム)で対応できるかどうかは、その家の状態によるところが大きく、老朽化が激しく、大規模な補強工事が必要な場合や、もとの家の工法や構造が増改築に適合しない場合などは、コストが大幅に上回ったり、希望する工事ができないこともあります。
もともとの住まいが増改築(リフォーム)可能かどうかは、素人には判断できないので、専門家に委ねましょう。
また、業者の選定や工事内容の決定には、家族全員で時間をかけて検討しましょう。
◎新築のメリット
新築の最大のメリットは、親子双方の要望を盛り込んだ住まい作りが可能なことでしょう。
また、増改築の場合は、工事費用の見積もりの金額と実際にかかる金額が大きく異なることもありますが、新築の場合は見積もりがしやすく、ある程度正確な総額を見積もることができるので、予算を立てやすいというメリットもあります。
また、エレベーターにしたいスペースを納戸として1階から3階まで残しておく、手すりの設置を見越して壁に下地材を打っておく、将来トイレと洗面所を一体化させることを見越して壁を薄めにしておくなど、二世帯住宅を多く手がけている施工業者がもつ間取りや設備の経験や知恵などを、新築工事なら反映させることもできます。
家族にとって本当に必要な設備は何かをよく考えておくことも必要です。
◎新築のデメリット
新築のデメリットは、増改築やそのまま住む場合に比べて多額の建築費がかかることでしょう。
そして、全額を自己資金でまかなえる場合以外は、住宅ローンでお金を借りることになり、その後の生活に少なからず負担をかけることになります。
建て替え工事期間の借り住まいの賃貸料も決して小さい額ではありません。
戦後建てられた一般的な木造住宅は、築20年前後で価値がゼロになってしまうといわれ、スクラップ・アンドビルドという名の住まいの使い捨て傾向は近年特に問題視されています。
そういう意味から、二世帯住宅を新築するために、古い家の柱や梁の味わいや、今の大工さんではなかなかできないような高度なあつらえなど、廃棄するには忍びない住まいの部分部分を壊さなくてはならないこともデメリットであるといえるでしょう。
新しい家を新築することは、それまでの古い家を壊すということです。
それまで住んでた親子にとっては、たとえ、家が時代や新しい家族構成に合致しなくなったとしても、思い出深い住まいであったはずです。
それを壊さなくてはならない心情的な負担は、老齢に差しかかりつつある親世代にとってはお金の問題以上のデメリットかもしれません。
また、高齢の親の場合、馴染んだ間取りから新しい間取りに変わることで、変化に対するストレスを多く感じる恐れもあります。
さらに、借り住まいする場合は、新しい家に入るまでに2度の引越しが必要となり、高齢の親の体力的・精神的負担には注意が必要です。