意外と考えることのない、二世帯住宅の続きとは?

◎二世帯住宅が役目を終えるとき
二世帯住宅に住む家族構成は、親世帯と子世帯、そして子の子どもである孫です。
核家族は子どもの独立をもってその存在意義を全うし、社会に対する責任を終えます。
しかし、三世代で一緒に暮らす二世帯住宅は、赤ちゃんだった子ども(孫)が独立し、同時期に親の一生を見送ることで、その意味と意義を全うします。
せっかくの二世帯住宅も、親子が一緒に住んでいる30年間の間だけで、その寿命を終えることになります。
しかし、二世帯住宅は普通の家に比べて部屋数や設備が多くなりがちで、建築時のコストも暮らしの中でのコストも想像以上に高くつきます。
しかし、わずか30年足らずで建て替えることは少しもったいない気がします。
そこで、二世帯住宅としての役割を全うした後も家族が快適に暮らし続けていけることを考慮して建てることも必要です。
◎二世帯住宅を建て替えるとき
二世帯住宅の中でも、部分共有型の場合は、部屋数や設備をセーブして建てる完全共有型と異なり、将来、親世帯スペースがそっくり空き家になってしまう可能性があります。
そこで、二世帯住宅を計画する際には、30年後の生活を想像しておきたいものです。
たとえば、親世帯の住まい部分が賃貸住宅として独立できれば、その家賃収入は年金生活へのプラスアルファになります。
また、自分の子どもとの二世帯住宅生活をスムーズに開始することも可能です。
また、最も避けなければならないことは、多額の資金を投じた新築の二世帯住宅が、欠陥工事が原因で20年や30年といった長い年数を暮らすことなく著しく痛んでしまい、大規模な改修控除が必要になることです。
最近の住宅はさまざまな工法や構造が入り混じっているため、素人目には良し悪しがわかりません。
欠陥住宅の多くも見た目にはきれいなしっかりした家の場合が多いようです。
しかし、予測のできない危険をはらんでいる住まいは、大事故や大怪我の原因にもなりかねません。
そこで、施工会社の選定には念入りな注意が必要です。
◎生き続ける二世帯住宅
本当の意味で、二世帯住宅で長く幸せに暮らし続けることは、決して簡単なことではありません。
また、二世帯住宅は永遠ではありません。
思いのほか早く終わる時が訪れる場合もよくあることです。
それは、欠陥工事による早期の建て替えという形で起る場合もあるでしょう。
また、子の兄弟との争いの末に、遺産分割というケースもあり得るかもしれません。
火災による焼失かもしれません。
しかし、最も多いのが親と子の仲違いによる別居なのです。
そして、二世帯住宅は絶対でもありません。
もともと、どのような住宅を二世帯住宅というかの厳密な定義はありませんが、私たちのまわりには、二世帯住宅に関する様々な情報があふれています。
しかし、誰とどのような家に住むかは、人それぞれです。
また、土地のあるなしや地域、仕事、経済、家族構成なども人それぞれ異なります。
計画を進めていくうえでどうしても無理だとわかった場合は、二世帯住宅を中止する勇気も必要なのです。
親と子が長く幸せに暮らすことができなければ、二世帯住宅に住む意味が全くないのです。
◎家だけ立派でも?
新築でも増改築でも、住宅の工事費用のほかに、外構工事費用を別に用意する必要があります。
外構工事とは、門、表札、ポスト、塀、駐車場などですが、その他、玄関アプローチ部分やマンホール、メーター類の移設工事、水勾配といわれる土地の排水工事なども含まれます。
そして、一般的には、外構工事費用は住宅工事費用の約1割程度をみておく必要があるでしょう。
外構はガーデニングと同一視されがちですが、ガーデニングはしなくても生活には支障がありませんが、外構工事をしないと生活に支障が出ます。
外構工事についての計画も忘れないようにしましょう。